抄録
てんかんと片頭痛では,発作時の現象をin vivoでとらえることが病態の解明に寄与すると思われる.てんかんでは脳波とBOLD信号を関連づけるEEG-fMRI検査の研究が活発におこなわれている.しかし脳波で異常が捉えられないこともあり,近年,fMRIのみでそうした脳活動を検出する試みがある.活用が広まっている安静時fMRIの解析手法が応用できる.片頭痛では脳血流が変動することが知られていたが,これもfMRIによって詳細な情報がえられるようになった.しかし血流調節自体にも異常がおこっているとの知見から,それが血管に由来するのか,神経なのか,判然としない部分がある.血流よりも神経活動に近い現象をとらえるfMRI手法の開発によって理解が進む可能性がある.