2013 年 53 巻 11 号 p. 1149-1151
東日本大震災発災時,宮城県における在宅で人工呼吸器装着した筋萎縮性側索硬化症(ALS)療養者は49名であった.津波の直接被害を受けたのは5名で,そのうち3名は当日や翌日に自衛隊により救助され病院に避難入院したが,2名は亡くなられた.震災時に医療機関への避難入院者は23名,在宅で過ごした後に入院した患者は2名,最後まで在宅で過ごした患者は14名あった.県全域の在宅人工呼吸療養中のALSおよび多系統萎縮症患者を対象に震災時の状況についての確認および宮城県で運用している「災害時対応ハンドブック」,「神経難病患者療養手帳さぽーと手帳」の作成状況・活用状況の調査を実施したところ,停電時の電源確保に向けた取り組みが重要であることが示唆された.