2013 年 53 巻 11 号 p. 1166-1168
脳主幹動脈閉塞による急性期脳梗塞において,rt-PA静注療法が禁忌もしくは無効なばあいに血管内治療の有効性が期待されている.血管内治療の方法として,ウロキナーゼなどをもちいた局所線溶療法,MerciリトリーバーやPenumbraシステムによる機械的血栓回収療法などがある.2013年に発表されたIMS3,SYNTHESIS,MR RESCUEの3つの試験では,血管内治療の従来治療に対する優越性が示されなかったが,これらの試験結果から多くの問題点が提議されている.今後,血管内治療の有効性を示すためには,適切な症例の選択,より再開通率の高いデバイスと,再開通までの時間短縮がとくに重要と考えられる.