2013 年 53 巻 11 号 p. 931-933
運動学習の首座である小脳が障害された脊髄小脳変性症(SCD)では,脳卒中のように,use-dependent plasticityに基づいた,練習量にある程度依存した機能改善が得られるかどうかは十分に検証されていない.また介入による機能改善は病変の拡大や病状の進行による機能低下とのトレードの上に成立することにも留意する必要がある.ドイツおよび本邦の介入研究から,SCD患者に対する短期集中リハにより,短期効果として小脳性運動失調,日常生活動作,歩行が有意に改善することが示され,長期的には半年から1年程度の効果の持続が観察されている.効果の持続には,家庭での自主練習量の確保をふくめ,生活活動の向上が重要であると考えられる.