臨床神経学
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短報
舌下神経単独麻痺を呈した急性リンパ性白血病の47歳女性例
上井 康寛橋本 昌也鈴木 正彦崎元 芳大川崎 敬一吉岡 雅之
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2013 年 53 巻 3 号 p. 243-246

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抄録

症例は47歳女性である.嚥下障害で緊急入院.初診時,頭痛と右舌下神経麻痺に加え,2ヵ月前からの間欠熱があった.血液検査でCRP 5.3 mg/dl,可溶性IL 2レセプター834 U/mlの他異常なく,髄液検査も正常であった.脳MRIで蝶形骨斜台内部と周囲に造影効果をみとめたが,CTで骨破壊像はなかった.悪性腫瘍検索のためのPETで斜台内部と周囲,脾臓,腎臓,左鎖骨上窩と腸間膜リンパ節にFDG異常集積をみとめリンパ増殖性疾患がうたがわれた.間欠熱の出現から3ヵ月後にはじめて末梢血に芽球が出現,骨髄穿刺にて急性リンパ性白血病(minor-bcr/abl陽性)と診断した.同疾患は髄膜への浸潤あるいは脳血管障害が多いが,本例のように舌下神経単独麻痺で発症した症例はなく,貴重と思われ報告した.

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© 2013 日本神経学会
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