2013 年 53 巻 5 号 p. 337-344
我が国における神経疾患の遺伝子診断(遺伝カウンセリング,遺伝子検査)の現状を把握し,今後のよりよい臨床応用のあり方を検討する目的で,神経内科専門医を対象とした遺伝子診断に対する意識調査を実施した.日本神経学会の協力をえて,神経内科専門医4,762名に対して調査用紙を配布し,1,493名(31.4%)から回答があった.神経内科医はおおむね疾患の特性や患者・家族の状況に応じて適切に遺伝子診断をおこなっていると思われたが,ガイドラインはあまり活用されておらず,遺伝子診断により生じえる種々の問題点に対する認識は必ずしも十分とはいえなかった.