臨床神経学
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原著
成人無菌性髄膜炎の臨床的検討―流行性と起因ウイルスの同定―
竹島 慎一音成 秀一郎姫野 隆洋原 直之吉本 武史高松 和弘高尾 信一栗山 勝
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2014 年 54 巻 10 号 p. 791-797

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抄録

10年間で成人無菌性髄膜炎,男性203例,女性157例を経験した.毎年夏~秋に,数回の小流行をみとめた.2012年流行期の21例中17例(81%)で起因ウイルスを同定した.試料の同定率は,便71%,髄液67%,咽頭拭い液42%,血清5%であった.すべてエンテロウイルスで,エコーウイルス(E)9型9例,E6型4例,コクサキーA9型1例,3例はエンテロウイルス属まで同定できた.E9型とE6型の臨床的差異はなかった.10年間でムンプス髄膜炎14例,水痘・帯状疱疹ウイルス髄膜炎8例,単純ヘルペスウイルス髄膜炎5例をみとめたが,散発的発症であった.流行性のものはエンテロウイルスが主であり良好な経過であった.

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© 2014 日本神経学会
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