2014 年 54 巻 12 号 p. 1136-1138
難治てんかん患者の焦点脳組織にみられる代表的な病型は限局性皮質異形性(focal cortical dysplasia; FCD)である.その皮質・白質にはびまん性のアストロサイトーシスがみとめられる.電子顕微鏡では,後シナプス領域の腫大や再髄鞘化像とともにこれらを取りかこむアストロサイトの突起の束がみとめられた.てんかん病巣では,シナプス,樹状突起,軸索における変性と再生がおこっているものと考えられ,その動的プロセスにアストロサイトやオリゴデンドロサイトが関与している可能性が考えられた.病態形成においてグリア細胞は積極的な役割を担っている可能性がある.