臨床神経学
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<公募Symposium 05> 認知症根本治療の実現へ向けて
認知症診断・治療の現状と課題Overview
古川 勝敏石木 愛子冨田 尚希荒井 啓行
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2014 年 54 巻 12 号 p. 1171-1173

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抄録

認知症の患者数の増加にともない,その診断法と治療法の向上は,現在の医学において最重要課題の一つである.診断においてはバイオマーカーの進歩が近年目覚ましい1~3).バイオマーカーは大きく(i)体液の生化学マーカーと(ii)放射線をもちいた画像の二つに分類される.アルツハイマー病の治療においては現在4剤が保険適応になっているが,いずれも神経伝達物質をモジュレートするものであり,根本治療薬ではない.根本治療薬としてはアミロイドβ(Aβ)をターゲットとした薬剤がいくつか開発されたが,いずれも治験の段階で効果が証明されず,実用にいたっていない.現在,タウをはじめとしてAβ以外の分子を標的とした薬剤の開発が活発である.

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© 2014 日本神経学会
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