臨床神経学
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症例報告
55歳で全身痙攣発作を来し,特徴的な頭部画像所見からSturge-Weber症候群III型と診断した1例
石川 英洋伊井 裕一郎丹羽 篤松浦 慶太前田 正幸冨本 秀和
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2017 年 57 巻 5 号 p. 214-219

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抄録

症例は55歳男性.20年前から一過性の右手足のぎこちなさを度々自覚した.同症状で前医に入院し,2日目に全身痙攣を来した.頭部CTで左前頭頭頂葉の萎縮と皮質に沿った石灰化を認め,当科に紹介された.高次脳機能は正常で右上肢の巧緻運動障害と右上下肢の錐体路徴候を認めた.髄液所見は正常で,脳波で左前頭部に徐波を認めた.頭部MRIの磁化率強調画像で左大脳深部白質の髄質静脈拡張を認めた.造影後FLAIRで左前頭頭頂葉の軟膜増強効果を認め,緑内障と顔面血管腫を伴わないことからSturge-Weber症候群III型と診断した.成人で診断される本疾患は稀だが,磁化率強調画像や造影後FLAIRの評価が重要である.

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© 2017 日本神経学会
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