2017 年 57 巻 8 号 p. 436-440
症例は78歳女性である.亜急性に進行する意識障害で入院となった.頭部MRI T2強調画像で皮質,白質に多発する高信号病変を認めた.免疫介在性脳炎を疑い,ステロイドパルス療法施行で一旦改善を認めたが,難治性てんかん重積状態で再入院となった.脳生検では非特異的な血管周囲のリンパ球浸潤を認めた.後日,血清抗gamma aminobutyric acid (GABA)A受容体抗体陽性であったことから,抗GABAA受容体抗体陽性脳炎と診断した.抗GABAA受容体抗体陽性脳炎は極めて稀であるため報告する.