臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X
症例報告
聴神経生検にて診断に至ったneurolymphomatosisの1例
浅野目 明日香鹿野 耕平髙橋 佳恵齋藤 司澤田 潤片山 隆行
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 58 巻 2 号 p. 93-99

詳細
抄録

症例は58歳女性.右末梢性顔面神経麻痺で当科受診.頭部CT・血液検査では異常を認めずベル麻痺の診断でステロイドを投与し症状は消失したが,約4か月後に左兎眼が出現した.再度ステロイド投与したが左V・IX・X神経障害も出現した.脳MRIで両側VII・VIIIと右VI,左IX・X神経に造影効果を認めpositron emission tomography(PET)では左VII・VIII・IX・X神経と左頸部リンパ節に集積を認めた.脳脊髄液検査では細胞蛋白の上昇を認めたが細胞診では陰性であった.左聾・右VI神経麻痺も出現したため左聴神経生検を行なったところdiffuse large B-cell lymphomaであった.本症例では障害された聴神経の生検が診断に有用であった.

著者関連情報
© 2018 日本神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top