臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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原著
ランバート・イートン筋無力症症候群における3,4-diaminopyridine治療効果の後方視的検討
長沼 亮滋矢部 一郎高橋 育子松島 理明加納 崇裕佐々木 秀直
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2018 年 58 巻 2 号 p. 83-87

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抄録

3,4-diaminopyridine(3,4-DAP)を投与した9例のランバート・イートン筋無力症症候群患者の治療効果について後方視的に検討した.3,4-DAPは筋力低下と自律神経異常症に対し有効である一方,傍腫瘍性小脳変性症の小脳性運動失調に無効であった.有効例8例の投与期間は15~149ヵ月であった.3例が10年以上投与しており,長期間安全に投与できた.2例が小細胞肺癌(small cell lung carcinoma; SCLC)により死亡し,1例がSCLCの悪化で投与中止した.副作用が生じた2例のうち1例は投与中止したが1例は減量し投与継続した.維持用量や副作用の生じた用量には個人差があり,慎重な用量決定を必要とした.

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© 2018 日本神経学会
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