臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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原著
可逆性脳血管攣縮症候群11症例の臨床的検討
竹丸 誠竹島 慎一原 直之姫野 隆洋志賀 裕二竹下 潤高松 和弘野村 栄一下江 豊栗山 勝
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2018 年 58 巻 6 号 p. 377-384

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抄録

可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome; RCVS)11例を報告する.男性2例,女性9例で平均年齢47.9 ± 14.1歳で若年者に多かった.雷鳴頭痛と言える強度の頭痛は64%,全身けいれん27%,運動麻痺36%であった.脳内病変の合併は,脳表限局のくも膜下出血63%,皮質下出血9%,可逆性後頭葉白質脳症45%で発症初期から認めた.脳梗塞は45%に,発症後1~3週間目頃に起った.脳血管攣縮は発症1ヶ月目頃から改善傾向を認めた.誘因は,産褥,片頭痛既往,輸血,急速な貧血改善,腎不全,入浴,脳血管解離の合併などが認められた.発症時の血圧異常高値を55%に認めたが,誘因なのかは確定的ではなかった.

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© 2018 日本神経学会
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