2021 年 61 巻 12 号 p. 862-868
症例は35歳男性.意識障害にて搬送.画像検査にて後頭蓋窩を主体にクモ膜下腔に沿ったびまん性の造影病変とその一部に結節性病変を認め,開頭生検したところ組織診断は膠芽腫であった.脳・脊髄実質内に病変を認めないことからprimary leptomeningeal gliomatosis(PLG)と診断した.Temozolomideを用いた化学療法と放射線治療を導入したところ一旦画像上の病変消失をみたが,その後脳実質内に再発し,術後23か月に死亡した.剖検では髄膜以外に脳・脊髄実質にも腫瘍の浸潤を認めた.髄膜に沿うびまん性病変をみた場合,PLGも鑑別にあげ早期の生検を検討する必要がある.