臨床神経学
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症例報告
Susceptibility-weighted imagingで一過性の皮質静脈拡張を認め前兆のある片頭痛発作が示唆された1例
和田 晋一津崎 光司杉山 華子菊井 祥二竹島 多賀夫濱野 利明
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2021 年 61 巻 7 号 p. 482-485

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抄録

症例は41歳男性,35歳時より月1回の頻度で前兆のない片頭痛を経験していた.2020年10月某日に突然同僚の名前を想起できなくなり,その後徐々に側頭部痛と悪心を自覚し当院受診となった.来院時,左側頭部の拍動性頭痛と人の名前を想起できない症状に加えて,失算,左右失認を認めた.発症3時間後の脳MRIではsusceptibility-weighted imaging(SWI)で左大脳半球に皮質静脈の拡張を認めた.発症42時間後までに頭痛を含めた神経症状は経時的に改善し,SWIで皮質静脈の拡張は改善した.本症例ではSWI所見の推移から,前兆のある片頭痛の初発発作が示唆された.

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© 2021 日本神経学会
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