臨床神経学
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症例報告
慢性の体位性頻脈症候群を呈し,抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体が陽性だった1例
後藤 由也角南 陽子菅谷 慶三中根 俊成高橋 一司
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2021 年 61 巻 8 号 p. 547-551

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抄録

症例は,経過8年の起立不耐を呈した39歳女性である.Head Up Tilt試験で体位性頻脈症候群(postural tachycardia syndrome,以下POTSと略記)と診断した.抗自律神経節アセチルコリン受容体(ganglionic acetylcholine receptor)抗体が強陽性であり,自己免疫性自律神経節障害(autoimmune autonomic ganglionopathy)の治療に準じて免疫グロブリン大量療法を行ったところ,抗体価の減少とともに起立不耐が改善した.本例はPOTSの病態と治療選択肢のひろがりを考える上で貴重な症例である.

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© 2021 日本神経学会
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