臨床神経学
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短報
重症筋無力症に併発した後天性rippling muscle diseaseの1例
藤田 尚宏石倉 照之永島 希西川 徹隅 寿恵中 隆
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電子付録

2022 年 62 巻 7 号 p. 563-566

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抄録

症例は51歳女性.2020年2月から下肢疼痛が出現し,しゃがむと腓腹筋が波打つように動くことに気がついた.6月から両上肢の疼痛,8月から両上肢挙上困難,左眼瞼下垂,複視が出現し入院となった.抗AChR抗体陽性であり重症筋無力症(myasthenia gravis,以下MGと略記)及びrippling muscle disease(RMD)と診断した.ステロイド内服により,筋無力症症状と筋痛が改善した.また造影CTで胸腺腫を認め,拡大胸腺摘出術を行った.その後再度筋痛が増悪しステロイドパルス療法で軽快した.RMDは遺伝子異常に伴う先天性とMGに併発する後天性が報告されている.後天性RMDは本邦では稀だが,免疫治療が奏功し留意すべきである.

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© 2022 日本神経学会
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