臨床神経学
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症例報告
Levodopa carbidopa intestinal gel(LCIG)投与時に悪性症候群様症状を呈し,drug-induced lymphocyte stimulation test(DLST)陽性からカルビドパアレルギーが疑われた70歳男性
川浪 文宮下 真信宮城 雄一長谷川 一子
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2024 年 64 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

レボドパ(levodopa,以下LDと略記)で治療中のパーキンソン病患者.LD/ドパ脱炭酸酵素阻害剤配合剤の変更で動きが悪化した既往があった.入院中,LDからLD/カルビドパ(carbidopa,以下CDと略記)に変更後,悪性症候群様症状(Parkinsonism-hyperpyrexia syndrome,以下PHSと略記)を呈した.LDに戻すと症状が改善した.空腸投与用LD/CDゲル(levodopa carbidopa intestinal gel,以下LCIGと略記)投与後に再びPHSを示した.敗血症と播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation: DIC)を併発し,血小板減少が遷延した.LDへの薬剤変更とステロイド投与で,病状が改善した.抗PAIgG陽性とLCIGに対する薬剤誘発性リンパ球刺激試験陽性(drug-induced lymphocyte stimulation test: DLST)で,CDに対するII型,IV型の薬剤アレルギーが疑われた.LD製剤変更時の不調の際,薬剤アレルギーを考慮する必要がある.

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© 2024 日本神経学会

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