2024 年 64 巻 4 号 p. 292-295
症例は79歳女性.嚥下障害,両側眼瞼下垂を来し入院した.抗アセチルコリン受容体(抗AChR抗体)と共に抗P/Q型電位依存性カルシウムチャネル抗体(抗P/Q型VGCC抗体)陽性が判明した.低頻度反復刺激試験で有意なdecrementを認めたが,高頻度反復刺激試験と単線維筋電図ではLambart-Eaton筋無力症候群として特徴的な所見を認めず,重症筋無力症と診断した.両抗体が共存する症例において,主たる病態の判定には電気生理学的な検索が有用である.