論文ID: cn-000772
症例は69歳男性.約1カ月前から全身倦怠感,体重減少,もの忘れが出現し,頭部MRI所見から辺縁系脳炎と考えられた.加えて四肢筋力低下,呼吸不全が急速に進行し,人工呼吸器管理となり,末梢神経伝導検査から軸索障害型の急性運動感覚性ニューロパチーと考えられた.血清で抗Hu抗体陽性と判明し,FDG-PETで肺門部のリンパ節に集積を認め,生検により小細胞肺癌を伴う傍腫瘍性神経症候群と診断した.傍腫瘍症候群において,稀ではあるがGuillain-Barré症候群に類似した,呼吸不全を伴う急性運動感覚性ニューロパチーを呈することがあり,抗体の測定や腫瘍検索が診断に有用であった.