臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

耳痛・咽頭痛で発症したzoster sine herpeteによる多発下位脳神経障害の1例
細川 隆史中嶋 秀人塚原 彰弘宇野田 喜一石田 志門木村 文治
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: cn-000921

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

症例は64歳女性.後頭部痛と左耳痛,咽頭痛後に,左の第IX,X,XI,XII脳神経障害を呈した.髄液検査で細胞数増多と蛋白上昇,水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus; VZV)-DNAを認めVZVによる多発下位脳神経障害と診断し,抗ウイルス薬とステロイド薬の併用療法により症状は速やかに改善した.経過を通じて皮疹・粘膜疹は認めずzoster sine herpeteと考えられた.耳痛・咽頭痛を伴う急性発症の下位脳神経障害では,第VII,VIII脳神経障害や皮疹・粘膜疹が存在しなくてもVZV感染症を考慮する必要がある.

著者関連情報
© 2016 日本神経学会
feedback
Top