論文ID: cn-001022
80歳の自立した生活をしている女性が昏睡状態で搬入された.発熱および項部硬直を認め,髄液検査で多形核球優位の細胞数増多がみられ髄膜炎あるいは脳炎として治療開始した.2日後に血液培養でStreptococcus pyogenesが陽性を示した.14日間のAmpicillin投与で昏睡からは改善するも,傾眠と自発性低下が遷延した.頭部MRIの拡散強調画像,FLAIR画像で右大脳半球の頭頂部中心に皮質下白質に高信号がみられた.ステロイドパルス療法で意識も画像所見も改善した.A群レンサ球菌性髄膜炎に併発したステロイド反応性脳炎と考えた.