臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

髄液JCウイルス(JCV)-DNA PCR陰性で脳生検で診断した,特発性CD4陽性リンパ球減少症が関連した進行性多巣性白質脳症の1例
加納 裕也井上 裕康櫻井 圭太吉田 眞理三浦 義治中道 一生西條 政幸湯浅 浩之
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: cn-001227

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

75歳男性.構音障害,左口角下垂で受診.頭部MRIで右中心前回に拡散強調画像で高信号病変を認め,脳塞栓症として入院したが,症状は悪化し画像でも病変の拡大も認めた.髄液JCウイルス(JCV)-DNA PCR検査は4回施行し陰性だったが,進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy; PML)に矛盾しない経過と画像であり,初診から2ヶ月後に脳生検を行いdefinite PMLと診断した.基礎疾患は特発性CD4陽性リンパ球減少症のみで,非HIV-PMLとしてメフロキンとミルタザピンの併用療法を行い,初診から約29ヶ月という長期生存の転帰であった.髄液JCV-DNA PCR検査が繰り返し陰性でも,脳生検が診断に有用なことがある.

著者関連情報
© 2018 日本神経学会
feedback
Top