論文ID: cn-001869
症例は35歳,男性.34歳頃より車の事故を繰り返すようになり,部屋の片付けが困難,言語障害・歩行障害が出現した.初診時は小声,つぎ足歩行拙劣だったが会話,独歩可能でMini-Mental State Examination(MMSE)23点と軽度認知障害を認めた.3ヶ月後に神経学的所見では発語不能,右優位に反復拮抗運動,指タップ拙劣,指鼻試験・踵膝試験拙劣,起立・歩行不能と亜急性に進行した.頭部MRIで小脳萎縮を認めた.Seizure-related 6 homolog like 2(Sez6l2)抗体が陽性でありSez6l2抗体関連自己免疫性小脳失調症と診断した.免疫療法にて症状の進行は停止し若干の改善を認めた.亜急性に進行する原因不明の小脳失調症ではSez6l2抗体測定と免疫療法が必要と考えられた.