臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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発症19年後に再検討を経て診断に至った神経核内封入体病の1例
永石 彰子 山本 絢林 信孝松尾 秀徳曽根 淳福留 隆泰
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-002125

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抄録

発症から19年後に神経核内封入体病(neuronal intranuclear inclusion disease,以下NIIDと略記)と診断した女性例を報告する.発症時54歳,診断確定時73歳だった.数時間から数日間持続する半盲,失調,失語,片麻痺など多彩な神経症状が出没し,腱反射消失と縮瞳は固定していた.頭部MRIで深部白質病変と脳萎縮が経時的に増悪したが,拡散強調画像(diffusion weighted image,以下DWIと略記)の異常はなかった.短時間で軽快する多彩な神経症状を呈した別のNIID症例を経験後に再検討し,皮膚生検と遺伝子検査で診断に至った.MRI DWIの異常所見を欠くNIID症例もあり,積極的に鑑別にあげることが重要である.

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