日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: o1A-1
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口頭発表
広告評価に及ぼす情動連合記憶とインターバルの効果
*松田 憲楠見 孝
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抄録

Jカーブ効果とは,不快情動を伴う広告の商品評価が遅延によって不快から快に転じる効果を指す.松田・北岸・楠見(2003)は,広告とは無関係な画像によって喚起された情動によってもJカーブ効果が生じることを示した.Jカーブ効果の生起は時間経過によって情動刺激と商品の結びつきが失われることで説明されているが,それを示すデータはこれまでに得られていない.そこで本研究では,商品評価課題とともに広告と対呈示された情動画像の再認課題を行うことで,Jカーブ効果の生起要因の検討を行う.広告は様々な情動価の画像刺激と対呈示された.実験の結果,広告学習直後では画像によって喚起された情動的反応が商品への反応として転化された.また,1週間の遅延によってJカーブ効果が生じ,商品の記憶は保持されるが,情動画像と広告との連合記憶は低下した.不快画像と対呈示された広告の画像再認判断において快画像への誤選択は見られなかった.

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© 2007 日本認知心理学会
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