特定の単語(ルアー語; 椅子)の連想語から成る単語群(学習語; つくえ,かたい,足…)を学習する課題を行うと,呈示された学習語ばかりでなく,呈示されなかったルアー語が再生される(虚再生)。本研究では幼児(5歳児)を対象に,記憶課題を実施する時間帯が虚再生の発生に与える影響を調べた。すなわち,朝(9時-11時)に課題を実施し再生する群と夕方(15時-17時)に課題を実施し再生する群の虚再生を比較した。その結果,朝に実施した群は夕方に実施した群に比べてルアー語を虚再生しやすかった。その一方で,ルアー語以外の呈示されなかった単語を再生するエラーについては,時間帯の効果が認められなかった。これらの結果は,幼児は夕方に比べて,朝に連想のような意味的処理が促進されることを示唆している。