抄録
本研究では,奥行き方向の運動が時間知覚に与える影響を調べた。具体的には,画面に呈示していた視覚刺激を消し,短時間後(例: 150ms)再度呈示した。被験者は刺激が消えていた時間(空白時間)の長さを評定した。その際,視覚刺激が消える前と後で大きさを変化させ,刺激が近づく,または遠ざかると感じるようにした。その結果,空白時間は同じであるにも関わらず,近づくと感じる空白時間は,遠ざかると感じる空白時間よりも短く評定された。さらに視覚刺激が消える前と後で,刺激の形状を変化させ,奥行き方向の運動を感じないようにしたところ,この効果は消えた。これらの結果は,時間知覚が奥行き方向の運動によって影響を受けることを示している。