日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p3-004
会議情報

ポスター発表
記憶のアハ効果
*渡邊 兼行
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
アハ体験が記憶を促進するかどうかが調べられた。Auble, Franks, & Soraci(1979)のパラダイムに則り、意味の通りづらい文を呈示し、その後、文理解を促進するキーワードを呈示した(アハ文)。また、統制条件として、キーワードをあらかじめ文内に埋め込み、意味が通りやすい文として呈示した(非アハ文)。その後、呈示された文の記憶を再生させたところ、アハ文の方が、非アハ文よりもよく再生されていた。さらに、アハ文の中でキーワードが無くても理解が容易な文とそうでない文を比較したところ、キーワード呈示前の文理解度に差はあったものの、再生率に有意な差は見られなかった。一方、キーワード呈示後の納得度に関しては、アハ文と非アハ文の間に有意な差が見られ、アハ文の難易の間に差は見られなかった。これらから、アハ体験による記憶の促進が、単に文理解の難易を反映したものではなく、理解の変化によって引き起こされている可能性が論じられた。
著者関連情報
© 2007 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top