メロディの単純接触効果を扱った研究の中で,数ヶ月単位の遅延を設けた研究としてPeretz & Gaudreau(1998)が挙げられる。2ヶ月から4ヶ月のインターバルが設けられ,熟知度の低いメロディにおいて単純接触効果が持続することが報告されている。そこで用いられたメロディは既存の楽曲であるが,本研究では,無作為に作成された音列とリズムを組み合わせたランダムなメロディを用いて,単純接触効果の長期持続性を検討した。実験参加者は,好意度評定による偶発学習をした7週間後に好意度評定することが要求された。実験の結果,7週間前に学習した条件は,学習していない条件よりも好意度評定が高くなることが示された。