本研究の目的は,幼児の音楽表現活動における「創造的認知」の発達プロセスについて、職業的な音楽家がどのように捉えているのか、ビジュアルエスノグラフィーを用いてその認知発達プロセスについて明らかにするものである。本研究では,幼児の楽器を使った音楽表現活動の様子を記録した3つの動画クリップを3名の職業的音楽家に提示した。そして,活動における幼児の「創造性」について半構造化インタビューを行い、そのコメントをもとに分析を行った。その結果,3名の音楽家が,クリップ3の幼児が自由に,自発的に活動している状況を「創造性」が高いと示しながらも,その「創造性」が違う創造的認知の枠組みの中で捉えられており,その意味に「ずれ」があること。