日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p1-002
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ポスター発表
空間移動を表す文の処理
*森田 愛子花森 広治
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抄録
空間移動に関する文章を読み,その文章に適合する地図を選択する地図選択課題を行った.読解時間の分析より,空間移動を東西南北で記述した文(方角文)のほうが,ランドマークと左右の方向で記述した文(ランドマーク文)よりも読解時間が長かった.そして大学生の男女において性差が見られ,女性のほうが文の読解時間が長かった.さらに男性においては方角文とランドマーク文の読解時間に差が見られなかった.また,方向感覚尺度の得点とも関連が見られ,方向感覚についての自己評価が低い人のほうが方角文とランドマーク文の読解時間の差が大きかった.地図選択の正答率や反応時間にはそのような差は見られなかったが,方角での説明文の理解が困難であるのは,空間情報のメンタルモデルの構築が困難であることを示唆していると思われる.そして,特にその傾向は女性および方向感覚について自己評価の低い人において顕著であることがわかった.
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© 2007 日本認知心理学会
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