日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p1-023
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ポスター発表
日本語かき混ぜ文の理解におけるもっともらしさの効果
*小林 由紀
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抄録
日本語は英語などに比べると比較的語順の制約が緩やかであるとされる。しかしながら,最近は基本語順の文よりも語順を変えたかき混ぜ文の方が読解時間が長くなることを示した研究が多く報告されている。本研究では,かき混ぜ文における負荷と文の内容のもっともらしさとの関係を検討した。9つの句からなる文を80 文用意した。そのうちの半数がターゲット文であった。ターゲット文は全て埋め込み文であり,半数は基本語順文,半数は埋め込み節における目的語を文の先頭へと取り出したかき混ぜ文であった。基本語順文・かき混ぜ文ともに,半数は文の内容のもっともらしさを高く,残り半数はもっともらしさを低くした。その結果,基本語順文においてはもっともらしさが高い文の方が低い文よりも意味のもっともらしさが確定する領域の読解時間が長くなったが,かき混ぜ文においてはもっともらしさの効果が弱くなることが示された。
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© 2007 日本認知心理学会
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