Thomas & Chessの気質9次元に4次元を加え、イヌとネコの気質を測定する尺度を作成した。飼い主の評定から、計226個体(イヌ140、ネコ86)のデータを得た。全サンプルで各次元の内的整合性を検討したところ、活動性・接近・順応性・反応強度・気分の質・攻撃性・支配性・知性・愛着の9次元についてはα=0.6以上の値が得られた。また、活動性と動物の月齢との間には有意な負の相関があった。各次元の性差を検討したところ、イヌのオスはメスよりも活動性・攻撃性・支配性が高く順応性が低い傾向が見られ、反対にネコのオスはメスよりも順応性が高く攻撃性が低い傾向が見られた。次に気質類型を求めたところ、全サンプル中36%がEASYに、10%がDIFFICULTに、10%がSLOW-TO-WARM-UPに分類された。これはヒトの結果に類似した割合である。さらに、因子分析による次元の抽出と種間比較を行った。