日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第6回大会
セッションID: P4-10
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ポスター発表4:言語・コミュニケーション・学習・推論
人物への注目が大人の心的推測パフォーマンスに及ぼす影響
*前原 由喜夫齊藤 智
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抄録

自分や他者の思考や感情を推し量る能力「心の理論」は,4歳頃から成熟することが知られているが,大人であっても他者の心的状態を推測する際にはさまざまな制限がある。例えば,あと知恵バイアスのように自分の知識を相手に過剰帰属し,自分と相手の知識が同じだと錯覚してしまうと,相手の知識状態の公正な判断はできなくなる。しかし,心的状態を推測すべき相手に十分な注意を向けるよう喚起されたときには,自分の知識にバイアスされた判断(知識バイアス)は消失するかもしれない。本研究では,大学生を対象にして,大人向け心の理論課題の登場人物の行動を推測するとき,その登場人物に対する注目が喚起されている状態では知識バイアスが発現しなくなるか否かを調べた。その結果,登場人物の存在が強調されていようがいまいが,知識バイアスは消失しないことが示された。この結果は他者の心的状態の推測における知識バイアスの頑健性を示唆している。

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© 2008 日本認知心理学会
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