日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第6回大会
セッションID: O5B-03
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口頭発表5B:身体・運動2
2つの右手を感じる ―ラバーハンドイリュージョンを用いて―
*鈴木 裕輔本間 元康小山 慎一長田 佳久
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抄録

ラバーハンドイリュージョンとは、隠された参加者自身の手と、目の前に置かれたラバーハンド(ゴムの手)が同時にタップされたときに、参加者が自身の手ではなくラバーハンド上に触感覚を感じる現象である。通常では一本のラバーハンドが使用されるが、今回我々は参加者の1本の右腕に対して2本の右手ラバーハンドを提示したとき、どのようなイリュージョンが生じるか検討した。実験では2つの右手ラバーハンドそれぞれの薬指と隠された参加者の右手薬指(合計3カ所)を同時にタップし、「触感覚(物理的圧力の感覚)」と「自己受容感覚(身体部位の位置感覚)」についてそれぞれ定位数を測定した。ラバーハンドが2本の場合では触感覚の定位数は増加したが自己受容感覚の定位数は変わらなかった。これらの結果から、自己受容感覚に基づく定位は視覚情報(ラバーハンドの数)に依存しないが、触感覚に基づく定位は視覚情報に依存していることが示唆された。

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© 2008 日本認知心理学会
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