抄録
今回我々はBlankeら(2003)がEEGによる研究で使用した課題を用いてfMRI実験を行った。embodiment(身体化)とdisembodiment(脱身体化)の比較を目的とし、視点が自己身体の内にある状況(身体化条件)と外にある状況(脱身体化条件)のそれぞれの脳活動をfMRIを用いて調べた。課題では左右いずれかの手が黒く表示された人間の線画を提示した。被験者はその線画が、自己を直接見ているか(脱身体化条件)、もしくは鏡で見ている(身体化条件)とイメージし、黒く表示された手は自分身体では左右いずれに当たるか判断した。脱身体化条件では被験者は自己の身体の外からの視点からのイメージを用いることになる。解析の結果から、脱身体化条件において身体イメージの視覚情報処理に関与するとされるEBA(extrastriate body area)や左右頭頂葉においてより顕著な活動上昇が観察された。