抄録
この研究では、発話課題での注意の切り替えがそれに続くタスク・スイッチング課題に与える影響を調べた。発話課題はランダムに英語か日本語で数字を読む条件と、一定の回数を英語もしくは日本語で数字を読む条件から構成されていた。
実験参加者は、予めアンケート調査によって主観的幸福度の高い学生26名と低い学生25名を選んだ。タスク・スイッチング課題として、色名呼称と単語の読みの切り替え課題を用いた。実験結果は、2つの切り替え課題を交互に行うと、非切り替え条件(英語あるいは日本語で数字を読む)との組み合わせに比べ、特に主観的幸福度の低い群で成績の改善の程度が低くなった。