日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第6回大会
セッションID: O1B-04
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口頭発表1B:知覚・認知
高速逐次系列の連続性が注意の維持に与える影響
*有賀 敦紀河原 純一郎渡邊 克巳
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抄録

高速逐次視覚呈示した文字系列中に1000msの時間的な空白(中断)を挿入すると,中断直後で標的同定率が低下する(有賀・河原・渡邊,2007).この結果は,高速呈示状態に対して一旦調節された注意が,系列の中断によって初期状態に戻されたためであると考えられる.有賀らは,中断を挟む文字系列を一連のランダムドット系列に重ねて呈示すると,中断後も注意が維持されることを示した.本研究は,高速逐次系列の連続性の有無を操作し,注意の維持が系列の連続性に依存するのかを調べた.まず,文字系列とそれに重ねて呈示されるランダムドット系列が完全に同期していなくても,注意が維持されることを示した.しかし,中断期間のみにランダムドット系列を呈示すると,中断後の標的同定率は低下した.これらの結果は,注意を維持するためには中断の前後の系列が連続している必要があることを示唆している.

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© 2008 日本認知心理学会
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