本研究においては,学習間のインターバルが短く,学習後の保持期間が短い場合における時間判断バイアスについて調べた。学習時の第1,第2セッションでは,視覚呈示もしくはイメージ生成によってそれぞれ項目を学習した。セッション間のインターバル,学習後の保持期間はともに15分であった。その後,ソースモニタリングテストを実施した。テストでは単語を表す線画を思い出し,その線画を実際に見たのか想像したのか,どちらのセッションでのことかを判断させた。その結果,第1セッションの項目を第2セッション,第2セッションの項目を第1セッションへ誤帰属させるセッション間の誤帰属が確認された。また,第1セッションの項目を第2セッションへ誤帰属させる率の方が高かった。これは,よく似た学習が短期間に繰り返されると順向干渉が生じ,後半のセッションの項目は思い出しにくいというメタ記憶的知識に基づいた判断がなされたものと考えられる。