日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第7回大会
セッションID: P1-13
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表音文字の符号化の完了時間の検討
-ブロック間配置で注意切り替え時間のバイアスを排除して-
*水野 りか松井 孝雄
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抄録
Mizuno, Matsui, Harman, & Bellezza (2008) は,ブロック内配置ではSOAが短いほど長くなってしまう2文字間の注意切り替えの時間を単純反応時間で測定し,これを文字マッチング反応時間から差し引いて歪みをなくした正味文字マッチング反応時間から,日本語・英語母語者の表音文字の形態・音韻的符号化の完了時間を明らかにした。本研究では,SOAによる注意切り替えの時間の違いが生じにくいと考えられるブロック間配置で上と同様の文字マッチング実験を実施して上記実験結果と比較し,この配置の有効性を検討した。その結果,ブロック間配置のマッチング反応時間と上の正味文字マッチング反応時間のSOAに伴う変化は実質的に一致し,この配置が注意切り替えによる反応時間の歪みを排除するのに有効であることが検証されるとともに,上記研究で見出された符号化の完了時間の妥当性が確認された。
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© 2009 日本認知心理学会
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