日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第7回大会
セッションID: P1-12
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話速変換が視聴覚音声のずれの検知に及ぼす影響
*宮澤 史穂田中 章浩坂本 修一西本 武彦
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抄録
映像と音声を同時に呈示した場合、話者の口の動きと音声が物理的に非同期であっても、ある程度までは同期して知覚されることが知られている。Sakamoto et al(2008)では、話者映像と時間伸長音声を組み合わせた条件、通常速度の音声と映像を時間的に非同期にした条件における、音声と映像のずれの検知限の測定が行われた。その結果、単語の長さが検知限に影響を及ぼすことが示唆されている。しかし、この結果が刺激全体の長さによるものか、モーラ数の違いによるものかは明らかではない。そこで本研究では、7,8モーラ語を、4モーラ語と同じ時間長にした刺激を用いて、検知限を測定した。その結果、伸長条件、非同期条件ともに、7,8モーラ語と4モーラ語の検知限に有意な差はみられなかった。これらの結果から、モーラ数ではなく、刺激の時間長が話者映像と音声のずれの検知に影響を及ぼしていることが示唆された。
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© 2009 日本認知心理学会
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