抄録
Choking Under Pressure現象について,不安が高まることでワーキングメモリ容量が圧迫されパフォーマンスが低下するといわれているが(Beilock et al., 2004),プレッシャーで不安が高まることを確かめた研究は少ない。一方Shackman et al.(2006)によれば,不安は空間的ワーキングメモリ容量を低下させるが言語的ワーキングメモリには影響を及ぼさないという。プレッシャーで不安が高まるのであれば,その影響も空間的ワーキングメモリにのみ現れると考えられる。本研究ではShackman et al.(2006)の手続きをもとにこの問題について検討した。結果からShackman et al.(2006)と同様の傾向がみられ,また特性不安が高い人がプレッシャーの影響をより強く受ける傾向があることがわかった。