日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第8回大会
セッションID: O4-1
会議情報

口頭発表4(動作・行為)
MCL-3を用いた系列的な到達把持運動後における快感情の定量化
*山本 真史藤井 進也山下 大地小田 伸午
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
橋本ら(1995)や斉藤ら(1996)は,被験者に各自が快適と感じるペースで走行や歩行運動をさせたところ,「快感情」が運動前後で有意に増加することを示した.本研究では,労働で度々みられる系列的な上肢到達把持運動の前後で「快感情」が増加するかを調べた.被験者は30分間の安静座位後,系列上肢到達把持運動を快適自己ペースで10ブロック行い,その後30分間の安静座位を行った.感情の測定には,橋本ら(1995)が作成した感情尺度(MCL-3;Mood Check List-3)を用いた.「快感情」について,繰り返しのある一元配置分散分析を行った結果,有意な主効果が得られた(p<0.05).さらに多重比較検定の結果,ブロック1,2および3後に測定した「快感情」の得点が,運動前の安静後に比べて有意に高い値を示した(p<0.05).結果から,系列的な上肢到達把持運動において「快感情」が増加することが示唆される.
著者関連情報
© 2010 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top