日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第8回大会
セッションID: O1-3
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口頭発表1(脳・神経)
把持運動における皮質間のグレンジャー因果性の動特性
*水原 啓暁乾 敏郎
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抄録

脳内ネットワークの動的形成メカニズムを解明する手法として,脳波と機能的MRIの同時計測が期待されている.水原と山口(2009)による先行研究においても,風景写真を記憶中のネットワークがシータ波の発生タイミングで動的に形成されることを報告した.しかしながら,従来の解析においては,脳波に関連する皮質活動を同定するという手法上の問題から,皮質間の情報の流れ,つまり因果性については議論できない.そこで本研究では,脳波と機能的MRIの同時計測データに対して,皮質の機能的MRI信号に相関する脳波成分を同定することで皮質脳波を再構築する.再構築した皮質脳波の時系列情報をもとに,グレンジャー因果性解析を実施することで,皮質間の因果性を明らかにする手法を構築した.さらに本研究では,この解析手法を把持課題に対して用いることで,視覚誘発運動生成における皮質間の因果性についてミリ秒精度で同定した結果を報告する.

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© 2010 日本認知心理学会
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