抄録
日本人の「違和感」の背景にある心的構造を明らかにするために、日中韓台の比較調査を行った。日常生活のどのような事例に対して「おや、変だ」と感じるのか、どのような言葉でそれを表現するのかということについて4カ国の調査を行ない、結果を因子分析にかけたところ、日中韓については、「快-不快」、「奇異性」の2因子が抽出されたが、第3因子については異なる因子が抽出された。台湾については他の3国とは異なる因子構造が抽出された。各事例の因子得点を求めたところ、「目にゴミ」など言わば生理的な事例は、3国で共通した心的空間に位置したが、多くの事例は異なる分布を示した。