日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第9回大会
セッションID: O6-4
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口頭発表6(社会・コミュニケーション)
何が錯誤相関を引き起こすのか
周辺分布および同時分布の歪みが錯誤相関に及ぼす影響
*菊池 健道又 爾
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抄録
錯誤相関とは相関がない2変数の間に相関を知覚する現象である。本研究では、各変数ごとの度数分布である周辺分布と、2つの変数を組み合わせた度数分布である同時分布の歪みが錯誤相関に及ぼす影響について検討した。参加者は呈示されたプリディクタ(正方形/円)からターゲット(A/B)を予測した。この時、半数の試行は正答が呈示されないマスク試行であった。これにより歪みなし群(2群)ではプリディクタの周辺分布(正方形と円の度数分布)、あるいは同時分布(正方形とAの組み合わせなどの度数分布)のいずれかに歪みのない状況が作られた。歪みあり群(2群)と統制群では周辺分布と同時分布共に歪んでおり、統制群では全試行で正答が呈示された。実験の結果、歪みあり群と統制群では錯誤相関が生じたが、歪みなし群の2群では錯誤相関が生じなかった。これは周辺分布と同時分布双方の歪みが錯誤相関の生起に重要な役割を果たしていることを示唆する。
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© 2011 日本認知心理学会
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