日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第9回大会
セッションID: P1-12
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ポスター発表1(記憶1)
言語的符号化が味の記憶に及ぼす影響
*清河 幸子手塚 聡
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抄録
本研究では,味の記憶に言語的符号化が及ぼす影響を検討した。100名の大学生に対して,コーヒーの味を記憶するよう求めた。ターゲットのコーヒーを飲んだ後に,一方の群では,味についての記述を,もう一方の群では,味とは無関係なクロスワードパズルを解くよう求めた。その後,強制2肢選択型の再認課題を実施し,回答に対する確信度を7段階で示すよう求めた。なお,ターゲットとディストラクタの類似度の影響を検討するために,類似度が高い条件と低い条件の2条件を設定した。その結果,ターゲットとディストラクタの類似度が高い条件で,有意傾向ではあるが,言語的符号化を行った群において成績がより高いことが示された。ワインを用いて同様の検討を行ったMelcher & Schooler (1996) では,言語的符号化は味の記憶を妨害する言語隠蔽効果が示されてきていたが,ターゲットとディストラクタの類似度によっては,言語的符号化が味の記憶を高める可能性が示唆された。
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© 2011 日本認知心理学会
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