日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第9回大会
セッションID: P3-12
会議情報

ポスター発表3(感情・感性)
ペン・テクニックによる表情操作は漫才を面白く感じさせるのか?
*山中 翔太向居 暁
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

これまでの研究は、表情の操作が感情を誘発することを示している。本研究は、そのような操作の1つである「ペン・テクニック」を応用し、ペンの代わりに割り箸を用いて、被験者の表情操作が、漫才の面白さ評定に与える影響を検討した。被験者は、「割り箸を歯だけで咥え、微笑みの表情に操作される群」、「割り箸を唇だけで咥え、口をすぼめた表情に操作される群」、そして、「割り箸を手に持ち、表情操作が行われない統制群」の3つに分けられ、漫才を視聴し、どのくらい面白く感じたかを評定した。その結果、著名な漫才師による、面白さがかなり高い漫才においても(実験1)、認知度が低い漫才師による、面白さが中程度の漫才においても(実験2)、表情操作によって面白さ評定に有意な影響が見られなかった。表情操作による多面的感情への影響、表情操作や刺激設定の困難性、および、刺激呈示状況による面白さへの影響の可能性について考察された。

著者関連情報
© 2011 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top